白馬村はどうですか?

 体調は頗る良好といった具合まで回復したが、精神の鬱屈とした状態は続いている。早くこの状態から抜け出さなければならないと状況さんは言っている。だが状況さんの言うことにはあまり応じたくない。私の判断がたまたま状況さんの意見と合致したというなら話は別だが。まあそんなことはおいといて、晴れやかな心にならんがためにその足掛かりとして今日は夕方から街に出て書店と珈琲店を訪れた。新しくなった「8系統」を使って。
 まず、書店に入るとすぐにお決まりの「青木まりこ現象」を患いトイレへ駆け込む。その後選びに選んで4冊の文庫を購入。学芸書は高い。五千円近く費やしてしまった。そんなわけで『カントの批判哲学』、『善悪の彼岸道徳の系譜』、そして念願の『雨月物語』を同時に読み出す。以前から読んでいる『ニーチェは今日?』もまだ途中だ。果たして全て読み終わる時はくるのだろうか。そしてこれらの読書経験を通じて私は何を得られるのだろうか。思えば積読本はたぶん10冊以上ある。早く春になりやがれろ。
 珈琲店ではろ過器、ペーパー、挽いてもらった豆、灰皿を購入。前に使っていたろ過器に合うペーパーが何処を探しても見つからなかったので仕方なく、というわけではなく欲しいから買った。それだけさ。なんといっても目玉は灰皿だ。ここの灰皿は初めて訪れたときから惚れ込んでいたので手に入れられて嬉。皆に配りたいくらいさ。そして誰か。私においしい珈琲の淹れ方を教えてくれろ。自分で淹れるとどうも薄く感じるのだよ。いっそのこと珈琲店で修行するべきか。
 君はそんなことをしている場合ではない。何を隠そう状況さんはこう言っている。