エイプリルフール。

 そう、今日は1年に1日だけの嘘をつくことが許される日。数多の虚構に満ちているこの世界で嘘をつきながら生き延びている僕はこういう日だからこそ正直な人間でありたいと思うのです。
 先ほど引越しを終えた。明日、京都を離れる。此処に来て1年の月日を経た。なにをやったのだろうか。本はあまり読んでいない。映画はほどよく観た。自転車を漕ぐようになった。いくつかの出会いがあった。別れもあった。二元論と脱構築について少しだけ勉強した。「ちちんぷいぷい」をよく観た。
 1年前の自分と今の自分を比べることほどの愚考はちょっとないかもしれないが、愚にも比べてみると状況はますます悪くなっている。生物学的に変化は必ず自身に起こっているはずなのだが自覚がない。その意味での変化は生物学が定めし客観認識であるから僕が認識する必要もないのだが、自己に変化を欲してもよかろうに。それに変化を止めるわけにはいかない。これからどうするのでしょうか。どのように生きていくのでしょうか。わからない。どうにかなると言ったあなた、教えてください。

君がいるかな 君とうまく話せるかな
まぁいいか
でもすごくつらくなるんだろうな
君が素敵だったこと ちょっと思い出してみようかな
  
くるり「東京」より

Adieu.