明晰なし。

 いつのまにか六月も中旬になり、四年越しのW杯が今宵開幕する。四年前といったら僕は専攻が決まって間もない大学二年生で、その専攻選択に失敗したような気がして日々を鬱々と過ごしていた。そんなときにドイツW杯が開幕したことはだいぶ助けになっていたのかもしれない。大学近くのカフェダイニングやらバーやらで日本代表の応援イベントをやってるっていうんで憂さ晴らしに何度か友人と麦酒を呷りに行った。飲んで知らない人たちと盛り上がっていたばかりで試合内容なんてまったく覚えていないけど、実際全体を通して前回大会の記憶はあまりなく、あると言えばジダンの頭突きと彼がW杯(あのトロフィー名前知らない)の傍らを通って控え室に退がっていく情景だけだ。あれはすごく象徴的であまりにもフランセな様相を呈していたように思う。そんな前回大会が終幕した後、試験や長い長い夏休みを通じていろいろいいこと悪いことあったけど後期が始まって暫くすると結局僕は破綻した。それから髪がすごく伸びた。そしてどんどん頭が悪くなっていった。大学を辞めてから京都で過ごしたり実家で過ごしたりした後、果たして僕は現在大学四年生。Fromドイツto南アフリカ、四年の月日が経ったはずだのに、社会的な僕の時間は二年しか進んじゃいない。わけのしんのす。